せいかもしれない。
・・・まてよ、でも確か水木しげるといえば、ヴィヴァンを開設してまもなく、「水木しげる原画展」というのを開催したことがあったよな。など、独り言をいいながら引き出しをあけると、まさしく展覧会開催の年に発売されたレコードの宣伝ポスターがでてきた。
年代をみると1978年! 画廊のスケジュールノートが1979年から保存されており、その前のスケジュール表が引越しでみあたらないため、正確な記録がわからないほど昔のこととなる。
当時、水木しげるのペンによる細密描写に大変興味があり、ゲゲゲの喜太郎ファンでもあったため、是非展覧会をしたいと先生に申しいれた。先生のお宅に伺うと、緊張している私の前で、戦争のことから、バリ島の細密画のことまでほとんど一人で長時間語り、大変楽しい気分になったことを思い出した。テレビで語る先生のご様子は昔と変わらぬ、衰えを知らぬお元気な様子に、あいかわらずの楽しい口調だった。
ところで、このポスターは、ヴィクターから発売された当時としては目新しいシンセサイザーをとりいれた前衛音楽のレコード【妖怪幻想】の宣伝用ポスターとして、印刷されたもの。当時のレコードはまだLP盤。レコードジャケットにも妖怪たちがつかわれたモノクロジャケットだったが、引越しのとき某ギャラリストに差し上げてしまい、今思うとちょっと残念。でも、こうしてみると、ポスターの語る時代背景は、実に意味深い。
マダム