今回展示してあるミュシャの写真で一番反応がある写真が、ゴーギャンが上着だけ身につけ、あとは裸足のままリードオルガンを演奏する姿の写真です。
この写真は、フジテレビの「美の巨人」でも紹介され、その時のコメントが、ゴーギャンがミュシャと共同生活をしていた時、ミュシャが撮影したとのことでした。ゴーギャンとゴッホの共同生活は、
既にひろく知られていますが、ミュシャと共同生活をしていたことは殆どそれまで語られたことはなかったため、その意外性に皆さん驚いています。
お客様より、ゴーギャンがタヒチに行く前なの? と質問され、写真は1895年頃の撮影となっていますが、その辺の説明までないため、調べてみると、1891年と1895年の2度タヒチに渡っています。
1893年にタヒチからパリに戻った時、叔父さんの財産でアパートを買っていますが、同棲していた女性にも逃げられたり、私生活はあまり落ち着いたものではなかった感じがします。
アパートがあるのに何故ミュシャと共同生活?など愚問もわきますが、2度目のタヒチに行く前に撮影されたことだけは、わかってきました。
歴史に残る作家とは、このようなことまで研究の対象になるのでしょう。