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Galerie vivant アートブログ~空のように自由に~

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2014年11月14日金曜日

黒子役:伊上凡骨と漱石の木版画




夕べ見たテレビの「和風総本家」で、たまたま木版画の刷りを決定する(ばれん)を
伝統的手法で作る職人さんを紹介していた。この番組は、主役をいかに伝統的日本人の技が支えているかという、黒子に徹した職人を逆主人公にした番組で、日本人に消えかけていた伝統への敬意と誇りを再認識させてくれる大変良い番組と時間があればみるようにしていた。
今開催中の「漱石遺墨木版画展」は、見る人が驚くほど自然に漱石の水墨画が再現されている。この木版画が制作された大正11年頃は、日本にまだ本格的な写真製版の技術が
なく、浮世絵の伝統を継承する版画師が新しい表現を取り入れる研究を始めたころであり、
当時の第一線で活躍していた凡骨がその技法に取り組んだ最初の人といわれる。
漱石とも親交のあった凡骨であったからこそ、水墨の滲む感じと漱石の気合いまで表現できたのではないでしょうか。その時、凡骨の手にも当時の職人さんが作った(ばれん)が握られていたことでしょう。